新春能から新年を迎えます。涙が溢れました…

ここ数年のお正月は大槻能楽堂での新春能へ伺っています。新春能ではいつも「翁(おきな)」という演目があります。

「翁」は、「能にして能にあらず」といわれ、まさに別格の一曲です。どのカテゴリーにも属さず、物語めいたものはありません。神聖な儀式であり、演者は神となって天下泰平、国土安穏を祈祷する舞を舞います。(能.comより)

新春能 大槻能楽堂新春能 大槻能楽堂新春能の時は舞台にしめ縄が飾られ特別な雰囲気となります。
シーンとした厳かな雰囲気の中、翁が始まります。今日の翁は大槻文蔵先生。毎年拝見しているはずなのに、なぜか観ている最中に涙が溢れ出てきました。それは昨年起こった各地の災害風景の映像が頭の中にフラッシュバックしたからでした。
翁を舞う文蔵先生が神様のように見えて、“きっと今年は災害が少なくなるよう神様が守ってくれるはず!”と思えたのです…。

 

プログラムのはじめに大槻文蔵先生のごあいさつ文で、このように書かれてありました。

しかしながら各地で起こりました自然災害は、次第に規模を増し傷ましい現実に怯えるばかりでございます。能は鎮魂の芸術であり、祝福の芸術でもあります。平成最後の数ヶ月を静かに送り、そして新しい年の幕開けとなります次代を、豊かな実りある年となりますことを祈念いたし、謹みて二日間の翁を勤めさせていただきます。

まさに大槻文蔵先生の翁は鎮魂と祝福の芸術からうまれた「神様」でした。。。

 

来週は新春文楽公演へ行ってきます♪

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miwako iai

大阪出身八尾市在住。デザイン事務所や広告代理店を経て、今は家業を手伝いながら好きな“きもの”もお仕事にしています。洋服も好きだから、きもの&洋服ライフを楽しむ日々。日本舞踊を15年お稽古したり、伝統芸能にも興味あり。日本の美しさを大切にしていきたいです。